SUBシステム とは??
SUBシステムとは
SUBシステム(Subcutaneous Ureteral Bypass System)とは、腎臓と膀胱の間に本来の尿管とは別の新たなバイパス路を形成する手術のことです。
腎臓から出た尿は、新たに設置されたカテーテル内を通り、膀胱へと流れるようになります。
腎臓と膀胱にそれぞれシリコン製のカテーテルを設置、また皮下には金属製のポートと言われるデバイスを設置します。ポートは手術後のSUBシステムのメンテナンスに使用することができます。
適応される病気
一般に尿管が閉塞してしまう病気に対して本術式は選択されます。
- 尿管結石による閉塞
- 尿管狭窄による閉塞
- 腫瘍(前立腺腫瘍、膀胱腫瘍など) など
また従来の術式が実施困難であった場合にもSUBシステムによる治療が可能な場合があります。
メリット・デメリット
メリット
- 従来の手術法に比べ、手術時間の短縮が期待できる
- 従来の術式に比べて合併症が少ない
- 従来の術式で手術が実施できない場合にも設置可能な場合がある
- ポートからの定期的なメンテナンスが実施可能
デメリット
- カテーテルやポートからの尿の漏出が認められる場合がある
- 血液や結石による再閉塞
- デバイスへの感染
- デバイス自体が高額なため、手術費用が高額となってしまう
- 比較的新しいデバイスであるため、長期での報告は少ない
- 定期的な洗浄などの処置が必要となる
- 通常の手術とは異なるインターベンショナルラジオロジー(IVR)の知識・技術が必要となる
SUBシステムはアップデートが定期的に行われ、現在はVer3.0が用いられています。また、定期的な洗浄を実施することで閉塞や感染などの発生率も減少していると報告されています。
本院においては従来の治療法だけではなくSUBシステムによる治療も可能となっています。それぞれのワンちゃん、ネコちゃんにより必要な手術法は異なりますので、最適な治療法をご提案できればと考えています。