潜在精巣とは??負担の少ない腹腔鏡下腹腔鏡下潜在精巣摘出術について

潜在精巣・停留(ていりゅう)精巣・陰睾(いんこう)とは

犬、猫ともに清掃は胎子期は腹腔内にあり、猫においては精巣下降はおそらく出生前に起こり、犬の精巣下降は生後10-42日の間に完了するとされていますが、この時期よりも精巣下降が遅れることもあります。

潜在精巣とは左右の精巣のうち、片方あるいは両方が陰嚢内に下降していない状態のことを言います。幼子期の精巣は小さく皮下で動きやすく通常であれば、潜在精巣の診断は6カ月齢を過ぎてから実施する場合が多いです。

陰嚢内に下降していない精巣は、腹腔内や鼠径部の皮下に留まっている場合があります。

両側の潜在精巣よりも片側のみの方が多く発生します。真の単精巣(先天的に、一つの清掃の形成がない)は非常に稀です。潜在精巣の発生率は、犬では1.2〜5%、猫では1.2〜1.7%程度と報告されています。

精巣は通常、陰嚢内で体温に比べて低い温度で維持されています。それに対して、潜在精巣の場合には体腔内において高温環境下にあるため精巣機能は異常であり、精子形成能は認められません。また、潜在精巣がその後陰嚢内に下降したとしても精子形成能を示すようになることもありません。

潜在精巣と精巣腫瘍

犬の精巣腫瘍はたとえ陰嚢内の精巣であっても老齢になると明らかに発生率が高くなります。

犬において陰嚢内に下降している正常な精巣の腫瘍発生率と比較して、潜在精巣のその発生率は13倍と高くなっています。

したがって、潜在精巣の摘出は年齢の若い時に実施することが推奨されています。

また、人の場合にはなりますが潜在精巣を陰嚢内に手術により引き降ろした後でも、その下降させた精巣の腫瘍発生率はもともと陰嚢内に下降していた精巣よりも高いと考えられています。

潜在精巣の場合の去勢手術

潜在精巣はすでに説明したように腫瘍の発生率が高くなってしまうことから、摘出することが推奨されています。

潜在精巣の場合の去勢手術は精巣がある位置によって、術式が異なってきます。

潜在精巣が陰嚢前部に持ってくることが可能であれば、通常の去勢手術と同様に実施できます。鼠径部に停留している精巣はその上を切開して摘出を行うことが一般的です。

精巣が腹腔内に停留してしまっている場合には、雌犬の避妊手術のようにお腹を開けた手術により摘出します。腹腔内にある精巣を探す必要があるため、少し大きめの切開になることが多いです。そのため、通常1泊入院が必要となります。

腹腔内にある精巣に対して、腹腔鏡を用いた手術も行われるようになっています。その場合であれば、5mm程度の切開が3箇所で実施でき、負担が軽くなり、多くは日帰りになります。

当院では、腹腔鏡下での潜在精巣摘出術も実施しておりますので、お気軽にご相談ください。

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