2024.09.26
減量にダイエット食を用いたわんちゃんの紹介
目次
①肥満度をチェック
12歳の柴犬減量指導初回時の体重15.8kgの子の紹介です。まずはこの子の肥満度合いをチェックします。
一般的な犬の適正体重は成長が止まる満1歳時の適正体重が基本になります。
この子の場合11kgが適正体重でしたので43%の肥満で、人間に置き換えると50kgの人が70kgになったことになります。
②基礎代謝カロリー(RER)を計算
15kgの子の1日の基礎代謝→554kcal
理想体重の基礎代謝→422kcal
③現在の摂取カロリーを計算
シニア用ドライフード94g→(343kcal/100g)=322kcal
おやつ→ほとんど与えていない
④生活環境チェック
ほぼ歩かない
⑤情報を総合的に評価し肥満の原因を明確にする
ここまでの情報で、この子の場合おやつはほとんど食べておらず、1日の摂取カロリーが基礎代謝よりもはるかに少ないのにも関わらず太ってしまっていることがわかります。
この場合痩せにくい体になってしまっており、摂取量を減らすだけの減量では効果が薄いと判断しました。
⑥具体的な減量プラン作成
まずは食事を適正体重になるまでシニア食からダイエット食に変更します。摂取カロリーが少ないのに太ってしまっているので代謝が落ちる内分泌ホルモンの疾患などがないか、健康上の異常がないか減量開始前に血液検査上で異常がないことを確認します。
⑦ダイエット食に変更することで期待できること
- 血糖値の急激な上昇を抑え、豊富な食物繊維で満腹感を維持
- 減量に伴い不足しがちなタンパク質・ビタミン・ミネラルを補える設計
- 消化管内のコレステロールを繊維が吸着して糞便中に排泄
- 低カロリー設計なので食事量をしっかり確保できる
⑧減量経過
2023.5~2024.7(14カ月)
食事をダイエット食に変更しただけで4.5kgの減量に成功しました。その間2週間~月に1回自宅での体重測定の結果を教えていただき継続的に評価を行いサポートしています。
⑨成功のカギ
- 1週間に1%の減量をずっと継続できていたこと
- 食事量を維持しながらの減量だったので飼い主様も頑張れた
- 減量途中から体が軽くなり自然と運動量が増え、消費カロリーが増えた