2024.08.16
負担の少ない腹腔鏡下避妊手術とは?
開腹手術による避妊手術
ほとんどの動物病院で実施される避妊手術は、開腹下で行われます。開腹での避妊手術は教科書的には、おへその下から下腹部にかけて15〜20cmの切開を加えて、卵巣・子宮を体外に引っ張り出した状態で、卵巣の血管や子宮の処理を行います。 それらの処置が終わると、ガーゼなどを用いてお腹の中で出血がないか確認し、切開したお腹を筋肉、皮下織、皮膚をそれぞれ縫合し手術を終えます。およそ一週間ほどで抜糸を行います。
腹腔鏡下での避妊手術
腹腔鏡を用いた避妊手術では、5mm程度の小さな傷(穴)2~3箇所を使ってトロッカーと呼ばれる筒状の器具を設置します。そこから細い内視鏡や手術用鉗子をお腹の中に挿入し、お腹の中で卵巣や子宮の処理を行います。腹腔鏡下で出血がないことを確認した後、切開した部位を縫合し、手術は終えます。およそ一週間ほどで抜糸を行います。
腹腔鏡を用いた避妊手術を行うメリット
- 傷が小さいことから痛みが少なく、動物の回復が早い。
- 手術時にお腹の中を鮮明な画像で見ながら手術ができる。
- 卵巣や子宮への強い力を加えることはなく痛みが少ない。
- 周囲組織に触れることもほとんどないため、組織損傷が少ない。
- 止血の確認が確実に行えることから開腹手術より安全性が高い。
- 大きく開腹しなければ出来なった検査、手術を小さな傷で同時に行うことができる。