2024.08.17
甲状腺機能低下症
犬の甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの作用の不足に起因する症候群です。 中〜高齢の犬でクッシング症候群に次いで、よくみられる内分泌疾患です。
症状
- 肥満 :食事量を変えてないのに、体重が増える
- 活動性の低下
- 歩くのを嫌がる / 起立を嫌がる
- 皮膚症状
- 脱毛(とくに尾と体幹)
- 皮膚の肥厚
- 上眼瞼、口唇の肥厚(悲劇様顔貌)
- 色素沈着
- 神経症状
- 低体温
- 徐脈
- 発情周期の異常
診断
以上の臨床症状や血液検査により、甲状腺機能低下症が疑われた場合、内分泌学的検査を実施します。 内分泌学的検査では、T4や遊離T4、TSHといった数値を測定します。 ただし内分泌学的検査は、他の病気や薬の影響をうける検査のため、この検査だけで確定診断はできず、臨床症状との総合評価での診断となります。
治療
甲状腺ホルモンを補充する内科療法を行います。 治療による症状の改善までの期間は、症状によって大きく異なりますが、一般的には活動性の低下は1週間以内に回復する場合が多く、皮膚症状や神経症状の改善には数週間から数ヶ月かかることもあります。 内服での治療は、通常生涯にわたりますが、甲状腺ホルモンをうまく維持できれば、健康な犬と同様の生活を送ることができます。