子猫(野良猫)を保護したらどうしたら良い?

暖かくなると「子猫を保護しました」というご相談が増えます。今回は、もし野良の子猫を保護した場合に、最初に何をすればよいのかを分かりやすくまとめました。体の大きさも小さく、体温調節が未熟な子猫は、健康管理やお世話のしかたがとても重要になります。ぜひ参考にしてみてください。

1.子猫を保護したら、まずは動物病院へ

病院で確認してもらうこと

  • 日齢の推定(月齢の目安)
  • 雌雄の判定
  • 外傷や感染症などの健康状態のチェック

ポイント

  • 外傷の有無にかかわらず、できるだけ早く動物病院へ行きましょう。
  • 既に猫を飼っている場合は、感染症予防のために子猫との接触を最小限に抑える工夫が必要です。

2.保護直後の注意点:感染症と隔離

保護した子猫が感染症を持っている可能性は否定できません。また、ご自宅にいる先住猫が感染症を持っている可能性もあります。相互感染を防ぐため、少なくとも2週間は子猫の居場所をむやみに移動させないことが大切です。

具体的な対策

  • タオル・食器・トイレ・雑巾などは、子猫専用のものを用意する
  • 子猫を触るときは、必要に応じて専用の服や手袋を使う
  • 子猫に触る前後は、必ず石鹸で手洗いを徹底する

3.保温の重要

子猫は体温調節が上手にできません。特に体が濡れている場合は、拭いて温めることが先決です。

  • 体調の良くない子猫の場合、寝床の温度は30℃以上を目安に保ちます。
  • 湿度は50~60%を目指すと、脱水や粘膜の乾燥を防げます。

保温方法の例

  1. 段ボールや箱にタオルを敷いて、子猫を入れる
  2. 保温ヒーター・湯たんぽ・使い捨てカイロなどを活用する(子猫の体に直接触れないように注意)

注意:低温やけど

  • たとえ低温でも、長時間同じ場所に触れているとやけどの原因になります。ヒーター類は子猫と密着させないようにしましょう。

4.ミルクについて:猫専用ミルクを選ぶ

牛乳や他の動物のミルクは使わないで!

  • 牛乳などを与えると軟便や下痢を起こす可能性があります。
  • 猫は肉食動物で、必要な栄養バランスが草食動物である牛とは異なるためです。

猫用ミルクの選び方

  • 粉や液体などさまざまな製品が市販されています。
  • 製品によって多少特性が異なるので、使う種類を限定した方が便や発育具合の観察がしやすくなります。

ミルクの温度管理

  • 授乳温度は**35~38℃**が理想です。
  • 実際に手にミルクを垂らして熱すぎないか確認しましょう。
  • ミルクがぬるすぎると飲みが悪くなる子猫もいます。

哺乳瓶の衛生管理

  • 使用のたびによく洗い、煮沸消毒を行う
  • 作り置きはせず、毎回飲みきれる量だけ調乳する
  • 室温に置いたミルクは1時間程度で廃棄する

5.離乳の進め方

離乳をスムーズに行うためには週齢に応じたステップが欠かせません。

3~4週齢

  • 浅い皿からミルクをなめられるようになります。
  • いきなり全部を皿で飲ませず、1週間ほどかけて少しずつ慣れさせていきましょう。

4~5週齢

  • 前歯(乳歯)が生え始める時期です。
  • 柔らかいウェットフードや缶詰をミルクに混ぜて食べる練習をスタート。
  • ミルクを吸う口の使い方と、固形物を食べる口の動きはまったく違うため、焦らずに少しずつ移行します。

5週齢~

  • 奥歯(乳歯)が生え始め、ドライフードを少量混ぜてもOK。
  • 離乳完了は6~9週齢を目標に。
  • 下痢をしてしまったら一度前の食事に戻し、状態が落ち着いたら再度挑戦してみましょう。

6.トイレと排泄補助

生後3週齢までの子猫は、自力での排泄が難しい!

  • 濡らしたティッシュやガーゼで肛門と陰部をやさしく刺激してあげましょう。
  • 寝起き後、食後、遊んだ後に排泄しやすい傾向があります。

7.ワクチン接種のタイミング

離乳が完了する頃(6~9週齢)になると、母猫からもらった抗体が消え始めます。

  • ワクチン接種を検討されている場合は、この時期に動物病院へ相談するのがおすすめです。
  • 必要に応じて予防薬や駆除薬の投与も行います。

8.里親探しのご相談はステラどうぶつ病院まで

「いずれは里親を探したい」という方もいらっしゃると思います。当院では里親募集のポスター掲載も行っておりますので、ご希望がありましたらお気軽にご相談ください。ポスターは飼い主様で作成いただく必要がありますが、掲示場所のご案内などをいたします。

まとめ


子猫を保護したら、まずは動物病院で健康チェックと感染症のリスクを確認しましょう。保温や専用ミルク、離乳食の段階的な移行など、子猫の成長に合わせたお世話が大切です。佐倉市のステラどうぶつ病院では、診察はもちろん、ワクチンや里親募集などのご相談にも対応しています。お困りの際はぜひご連絡ください。子猫が元気にすくすく育つよう、一緒にサポートさせていただきます!

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