2024.09.26
ワンちゃんとネコちゃんの体型チェックと理想体重
目次
みなさんは自分のペットの今の体重を把握していますか?
ここでYESと答えた方にさらに質問です。その体重はその子のベスト体重ですか?
べストかどうかと聞かれると不安に思う方が多いのではないでしょうか。動物病院でこの質問を患者様から頂いた場合、BCS(ボディーコンディションスコア)を使って体型の評価をします。
ボディーコンディションスコア(BCS)とは??
BCSとは身体を上や横から見たときのくびれや肋骨の触り具合などで体型や体重が理想的であるのか判断するための指標のひとつです。
つまり、チワワちゃんは3kgまでに納めないといけないなどのルールではなく、その子の骨格にあった適正体型での体重の把握が重要となります。
体重過多の子に関してはBCS 3にするために現状を見直しましょう。食事やおやつを与える人が特定の人じゃない場合は皆さんの食事の与え方やおやつの量に関する認識が同じかどうか確かめることも重要です。
ダイエットと聞くとまず運動が頭に浮かびますが、体重過多のまま運動をすると関節などを痛めてしまう可能性もあるのでまずは食事の見直しで体重を落としましょう。どの減量方法に関しても言えることですが、1週間おきに体重をモニターし、減少がみられなかった場合は主食の種類や量の変更を行いましょう。減量のスピードとしては1週間に -1~2%を超えない程度の無理のないダイエットを推奨しています。
病院では厳密なカロリー計算をしますが今すぐにお家でできるダイエット方法もありますのでいくつかご紹介します。
すぐにお家でできるダイエット方法
お家に現在与えているおやつが3種類以上ある、主食に何かをトッピングして与えている場合
おやつの回数と種類は変えずに量を半分に減らしてみてください。
栄養指導をさせていただく中で色々な種類のおやつを食べている子では肥満の原因が主食(総合栄養食)ではなくおやつや野菜のトッピングなどの副食が多いケースが目立ちます。
自己流のダイエットでは皆さんまず主食を減らしてくださるのですが、副食(主食以外のすべてを指す)は一日に与えて良い割合が決まっていますのでどちらかというとまずは副食を減らしてみていただきたいです。
とにかくご飯を欲しがり、人間が根負けし結果として与えて過ぎてしまうケース
まず満腹感をどう与えるのかを考えていきます。
1つ目はカロリー密度が低く、同じカロリーでもたくさん食べられるダイエット用の療法食に変更することです。ダイエット用の療法食は原材料に何種類かの繊維質を使用し繊維量も多く配合することで満腹感をサポートしてくれます。
2つ目はとにかくたくさんの量を食べられるように缶詰を使用することです。缶詰は約80%が水分なのでドライフードと置き換えると4~5倍の量(gで換算した場合)を与えることができます。メリットとしては食事をするだけで水分が体に入るのであまり自分でお水を飲まない子にも水分摂取量を増やしてあげられることです。
デメリットはドライフードより歯垢が付きやすく歯磨きをしっかりできないと歯石の原因になってしまいます。
おやつは与えていないのに太ってしまう
考えられる事としては主食の量が既定量より多い、もしくは適正量を与えていてもその子自体の消費カロリーが少ないために摂取カロリーが消費カロリーを上回ってしまっている。この場合は主食をただ減らしてしまうと本人も満足感が得られず、身体自体も痩せづらくなってしまうので代謝にアプローチするようなダイエット食やたんぱく質や繊維などを強化し低脂質、低カロリーにしたダイエット用の療法食への変更を推奨しています。
ダイエットをする際の注意事項
既定量の半分も与えてないのに太ってしまう子や与える量は全く変更してないのにどんどん太ってしまう場合はホルモンなどの内分泌の病気が隠れていることもありますので、一度動物病院の獣医師に相談してみてください。
肥満は関節や糖尿病のリスクをあげるだけではなく、何か手術が必要になった時の麻酔リスクも高めてしまうので、食事管理はお家でできる重要な健康管理として皆さんの大切なワンちゃん、ネコちゃんのためにしっかりと向き合っていただきたいです。