2026.07.26

犬のフィラリア症について

春になり、お散歩中に蚊を見かける季節がやってきました。毎年この時期になるとお伝えしているのが、ワンちゃんの「フィラリア症予防」です。命に関わる病気ですが、適切に予防することでしっかり防ぐことができます。今回はフィラリア症についてあらためてご説明します。

フィラリア症ってどんな病気?

フィラリア症は、蚊を介して感染する寄生虫の病気です。正式には「犬糸状虫症」と呼ばれ、感染した蚊が血を吸う際にフィラリアの子虫(ミクロフィラリア)がワンちゃんの体内に入り込みます。

子虫は皮下で成長したあと血管に乗り、最終的に心臓(右心室)や肺の太い血管(肺動脈)に到達して成虫になります。感染から成虫になるまでには約6か月かかります。

進行するとどうなる?

感染初期はほとんど症状がなく、気づかないうちに進行していくのが怖いところです。症状が出てくる頃には、すでに肺や心臓に大きなダメージが及んでいることが多いです。

  • 軽症:軽い咳、運動を嫌がる
  • 中等度:呼吸が荒い、疲れやすい、お腹がふくれる(腹水)
  • 重症:失神、血尿、突然死(大静脈症候群)

大静脈症候群は、心臓内に多数の成虫が詰まることで起きる急性の循環不全で、外科的に虫を取り出さなければ救命が難しい状態です。

予防の前に必ず検査を

予防シーズンに入る前に、年に1回の血液検査をおすすめしています。すでにフィラリアに感染している状態で予防薬を投与すると、体内の子虫が一気に死んでショック症状を起こすことがあるためです。

「去年もしっかり予防していたから大丈夫」と思っても、飲み忘れや投与のタイミングのズレで感染しているケースもあるため、毎年の検査が安心です。

予防薬の種類

予防薬は「成虫にならないうちに子虫を駆除する」薬です。剤型ごとの特徴は以下の通りです。

  • 経口薬(おやつタイプ/錠剤):月1回投与。お薬好きな子に
  • スポット剤(皮膚に滴下するタイプ):月1回。飲み薬が苦手な子に。ノミ・ダニ予防を兼ねた製品もあります
  • 注射薬:1回の注射で1年間効果が持続。飲み忘れの心配がない方に

それぞれにメリットと注意点があります。ライフスタイルやワンちゃんの性格に合わせて、当院でご相談しながらお選びいただけます。

いつからいつまで予防する?

予防期間は「蚊が出始めて1か月後〜蚊がいなくなって1か月後まで」が基本です。千葉県では一般的に5月〜12月頃が目安となります。

近年は温暖化の影響で蚊の活動期間が長くなっており、予防期間も延長する傾向にあります。ご心配な場合は通年予防もご相談ください。

まとめ

  • フィラリア症は蚊が運ぶ命に関わる寄生虫の病気
  • 無症状で進行するため気づきにくい
  • 年1回の検査+適切な予防薬投与で防げる可能性の高い病気
  • 予防シーズン前には血液検査を

大切な家族を守るために、今シーズンもしっかり予防していきましょう。ご不明な点やご相談は、お気軽に当院スタッフまでお声がけください。

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